「ブックフォールディング」という、本を使った新感覚のアート作品です。インスタグラム等で数々の作品画像や動画を投稿しているOruFun代表の青木貴志さん(右)と、クリエイターのD.Hinklayさんを取材しました。
ブックフォールディングとの出合い
クリエイターのD.Hinklay(ディーヒンクレイ)さんが、ブックフォールディングに出合ったのは2013年。子供の頃から得意だった折り紙の技術を活かして何か新しいものを生み出せないかと模索していた中、インターネットでたまたま見かけた海外の人の作品にブックフォールディングの可能性を感じ、独学で制作を開始。その作品画像をSNSに上げたところ、同級生の青木貴志さんが偶然目にし、完成度の高さに衝撃を受けたそう。2人は八王子市内の大学出身で、大学時代に起業の話で意気投合したこともあり、2014年にブックフォールディングのブランド、OruFun(オルフォン)を立ち上げました。
絶対に本を切らない作品へのこだわり
ブックフォールディングを制作する際のこだわりは、絶対にページを切らないこと、読まれなくなった本を使用すること、そして他にはないデザイン、クオリティーで提供すること。中には本に切り込みを入れて作るクリエイターもいますが、はさみを一切使わず折るだけで滑らかな輪郭や飛び出しているような立体感を表現できるのは、折り紙で身に付けた技術とミリ単位での細かい作業から生み出されています。
印付けに数時間かけて折っていく
どの作品もまずは設計図づくりから。エクセルに数値を落とし込み、折るページ1枚1枚に定規を使って丁寧に印を付け、折っていきます。ページ数やデザインの複雑性にもよりますが、制作時間は平均4~8時間程度。
こちらは、制作時間30時間!寝ずに一気に作り上げたという作品「薔薇」。中には完成までに2カ月掛かった作品も。これまでに作った作品は700を超え、海外を中心に40カ国以上の人に販売。インテリアとして飾るだけでなく、結婚式や記念日などの贈り物としての依頼も多いそうです。
本の新しい楽しみ方の一つとして提案
ブックフォールディングがアート作品として評価されるのを目指しながらも、ものづくりの楽しさを多くの人に体感してもらいたいと、web上で誰でも簡単にブックフォールディングが作れるパターンの販売やワークショップを開催。「読み終わった本の新しい楽しみ方の一つとしてブックフォールディングを提案しています。ブックフォールディングはまだ新しいジャンルで可能性は無限大。世界中の人に1冊でも多く自分たちの作品を届けるのが目標です」。
11月21日までクラウドファンディングを実施。リターン品の一つ、スノーマン、サンタクロース
作品の販売、注文、パターンの購入等の問い合わせやお知らせはすべてインスタグラムで。
ショッパー 八王子周辺版 10月22日号掲載