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無駄にしない環境にやさしい取り組み「佐藤ニット」

ニット製品を作る際にどうしても出てしまう余り糸(残糸)。余剰分を含めた量で糸を仕入れていたり、一つの製品を作るには量が半端という理由などから、残糸は増える一方でした。本来ならば廃棄されてしまうような残糸を再利用して、新しい製品に作り替える取り組みを始めた、佐藤ニット「つかいきる課」を訪ねました。

機械で立体的に編み上げる無縫製ニット

佐藤ニットは、八王子市大横町の住宅街にあります。家族で営むニット工場で、1960年に手動式編み機によるニット生地の製造からスタートし、2010年からは無縫製ニットと呼ばれるホールガーメント機を導入。現在もニット製品を作り続けています。


通常、セーターの場合、前身頃、後ろ見頃、袖といったパーツを縫い合わせて作るそうですが、ホールガーメントは一着丸ごと“服の形”で機械から編み上がってくるのが最大の特徴。訪れた日も4基の機械が稼働し、セーターやニットワンピース、ニットパンツが次々と編み上がっていました。

縫い目のごわつきがないので着心地がよく、伸縮性にも優れた編み方で、メーカーだけでなくデザイナーさんから直接依頼を受けることも多いと言います。

残糸を減らしたい思いから―つかいきる課が誕生

娘の佐藤理恵さんは昨年から工場で働き始めて、余り糸や傷で出荷できない製品の存在を知ったそうです。同じ種類、同じ色の糸でもロット(製造番号)が違うと色むらが出てしまうため一つのセーターにできなかったり、機械の機嫌が悪いと傷などにより製品にならないことも。このような糸を使い、人の役に立つ製品は作れないものか、という発想から発足したのが「つかいきる課」です。コロナ禍で注文が減り、たまたま機械が空いていたことと、職業体験に来ていた美大生たちの力も借りて立ち上げた、サステナブルプロジェクト。工場から出る残糸で新しい製品に作り替え、廃棄される糸を少しでも減らそうという取り組みです。


「糸量がちょうどいい靴下とニット帽を作りました。靴下はかかとの位置が決まっていないのでサイズに関係なく履け、贈り物にもお勧め。セーターと同じ糸、機械で編んでいますので、洗濯は手洗いで優しく洗ってください。ウール100%で温かく、締め付け感がないので楽な履き心地です」と理恵さん。ゆったり履けるゴム編み靴下(1,650円)は全23色。クシュっと履くのがお勧め。

無縫製ニット帽(3,300円)は9種類。残糸なので糸がなくなったら終了です。商品はオンラインショップのみで販売。

佐藤ニット
つかいきる課 webshop https://satoknito-tukaikiru.stores.jp/
〒192-0062 東京都八王子市大横町2-18

☎042-622-4798
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