町田市や相模原市は、緑豊かなエリアとして知られ、他の街より野鳥はもちろん、タヌキ等の野生動物を見かける機会も少なくないようです。3月20 日は動物愛護デー。身近にいる野生動物との共存について、町田にある野生動物保護センター「ジャパンワイルドライフセンター」理事長の佐草和泉さん(左)とスタッフの佐草優里さんに話を聞きました。
誤認保護をしないために正しい知識を
のづた動物病院と提携し、町田市近郊の野生動物の保護活動や治療事業を行い、普及啓蒙(けいもう)活動もしている同市山崎町にあるJWC(ジャパンワイルドライフセンター。電042・794・9347)には、傷ついた
野鳥やタヌキが、自然界へのリリースを目的に保護をされています。
交通事故等のケースの他に、住宅街の中でのアクシデントも意外に少なくないそうです。通年あるのが、鳥によるガラス窓の衝突。よく晴れた日に、鏡のように映った窓に突っ込んでしまうのが原因です。脳振とうを起こしている鳥を見つけた場合は、しばらく触れずに様子を見ることが第一ですが、それでも改善しない場合は、保温して暗い場所に置いておくとよくなることも。「窓に白等の明るい色のカーテンを引けば衝突を防ぐことができます」と同センター代表の佐草和泉さん。繁殖期を迎え、子育てが始まるこれからの時期は、うずくまるひな鳥を見つけることがありますが、すぐに手を出さずに近くに親鳥がいるかどうかの確認が必要。巣立ちの練習をしている可能性も。「親鳥が餌を与えにくることもあるので、極力見守って」。「何とかしてあげたい気持ちはとても大切。でも誤った知識が誤認保護にもなってしまいます」とも。
住宅街の側溝から、生まれたばかりのタヌキを住人が見つけたり、藪の中に一匹でたたずむ子ダヌキがいたりして誤認保護をして、親と引き離してしまうケースがある他、ペットの餌を外に放置したり、良かれと思った餌付けが野生動物の病気の要因になることもあるそうです。
正しい知識で見守りながら時には保護もして、また自然に戻し、生態系を保全していくことが大切。タヌキ以外にも貴重な動物の生存を確認しているという同センター。「それぞれの生活領域を分ける〝ゾーニング〞をしながら共生したいものです」と佐草さん。
同センターは、ボランティアの募集をはじめ、傷病野生鳥獣のリハビリケージを拡充するためクラウドファンディングも実施中。インスタグラム等で情報も発信