西八王子駅北口から3分ほど歩いたところ、甲州街道沿いに「行列が絶えないラーメン屋」があります。年季の入った大きな黄色看板が目印の、八王子ラーメン好きなら誰もが知る「五右衛門」さんです。先日取材にうかがった「麺処あずき」店主の中村さんからも、今まで食べてきた八王子ラーメンで一番美味しいお店として店名があがり、無性に食べたくなったショッパースタッフは、早速行列へと並んできました。

八王子お店大賞 受賞店
並んでいる列が隣接店の迷惑にならないように、3人目までは店の前、4人目以降は道路側に並びます。この日もランチピーク時間は過ぎていたのに8人も並んでいました。これほどまでに人気なお店「五右衛門」さんの始まりは、今から26年前の1996年6月。店名のゆかりは、店主が石川さんということで「五右衛門」と名付けたそうです。そして2012年には「第2回 八王子お店大賞」の飲食店部門を受賞、八王子市民に愛されるお店の証も手にされています。
小さい頃からラーメン屋さんが夢だった
笑顔が素敵な店主、地元八王子で育った石川征之さん。複数の飲食店で働いたのち、若干25歳という若さで「中華そば 五右衛門」を開業しました。幼い頃からラーメンが好きだった石川さんは、ずっと「ラーメン屋になりたい」と思っていたそうです。そんな石川さん、ラーメンと向き合う姿勢はとにかく真摯。八王子ラーメンに欠かせない刻み玉ねぎは、季節ごとに旬の玉ねぎを選び、味を最大限に引き出す刻み方を研究したり、チャーシューやメンマまで自家製にこだわるなど、とにかく最高の一杯を作る努力を惜しみません。
超人気のラーメン店というと、独自のマナーやルールがあったりして、店内には独特な緊張感が走るお店が多い中、「五右衛門」さんはそれらとは全く違います。まずお店に入ると石川さんの笑顔から始まり、柔らかな物腰と接客で安心感が漂います。石川さんだけでなく、スタッフの接客サービスもとても感じが良く、店内がとてもアットホームな雰囲気なので、落ち着いて食べられます。

五右衛門さんは、ショッパーでも紙面で紹介させていただいたことがあり、石川さんは「ショッパーさんは、当時の担当者は辞めてしまったけど、今でも年に何度か来てくださっていますよ。」と嬉しそうに話して下さいました。これからは月1で私が現れます(笑)
中華そば 600円
トッピングは、チャーシュー・メンマ・海苔・そして刻み玉ねぎ。これぞ「ザ・八王子ラーメン」という一杯。おすすめなのは追加トッピングの玉ねぎ増しですが、今回は写真撮影もあるので普通の中華そばにしました。写真で見ても分かる通り、刻み玉ねぎのサイズが微妙に違っており、石川さんのこだわりが早速もうかがえます。一杯 600円というのも、お財布に嬉しい価格です。
自家製特製ラードを使用した醤油スープは、さっぱりしながらもコクと深みがあります。豚骨・にぼし・かつお・香味野菜をベースに秘伝の醤油と自家製特製ラードを合わせたこだわりの味です。一口すすると、「節系」の風味が広がりますが、すぐに「豚骨」も加えられていることが分かります。豚骨の臭みが完全に消されているということです。恐らく豚骨をしっかりと下処理されているのでしょう。そういった見えないところでも丁寧に仕込みをされているからこそ、このスープにみんなが魅了され、並んででも食べたくなるのでしょう。
麺は、「八王子ラーメン」定番の細麺ストレート。やや硬めでコシがあり、噛み心地がとてもよく噛むとサクッと切れるタイプの麺です。相模原にある赤池食品の特注麺だとか。この程よい固さが醤油スープと絡み、とても良いバランスを引きだしています。
チャーシューは、国産の肩ロースを2時間ほど茹でたのち、吾衛門さん特製のタレで味付けをしています。柔らかさ・噛みごたえともに、豚肉の旨みが最大限に引き出されているチャーシューとなっています。
チルドラーメンにもなっている
全国各地のラーメン店の味を再現したアイランド食品の「銘店伝説」というシリーズがあります。こちらの一つに「八王子ラーメン吾衛門」として、五右衛門さんの中華そばがインスタントとしても登場しています。出汁がしっかり効いていて、チルドラーメンとは思えないほど完成度の高いラーメンだそうです。なかなかお店に足を運べない方は、通販で購入可能な「銘店伝説八王子ラーメン吾衛門」をご家庭で堪能してみてはいかがでしょうか?

「五右衛門」さんの中華そば、コクがありながらもあっさりと食べやすくなっているので、高齢の方も多くご来店されており、幅広い年齢層に愛されておりました。超人気のお店なので、売り切れで早めに閉店となることがあります。早めの時間に行くことをおすすめします。
東京都八王子市千人町3-3-3
☎042-663-6861
営業時間 11:00~17:00
※スープ売り切れ次第閉店
定休日 日曜、祭日