グルメ生活お店・企業八王子市

地域食堂「たてキッチンさくら」で繋がるコミュニティー

館ヶ丘団地名店街にある「たてキッチンさくら」。正午に開店すると、焼き魚や青菜のおひたし、きんぴら、芋煮などの惣菜が並び、にぎやかに人が集まります。今では地域に欠かせない存在となった同店がスタートしたきっかけは、八王子市に限らず多くの地域が抱える問題でした。

高齢化の進む団地食生活を支えたい

2016年8月、団地内にあった唯一のスーパーが閉店することになりました。昭和50年の入居開始から今年で47年目を迎える館ヶ丘団地は、高齢化率が50%を超えており、そのうちの約半数が独居世帯です。「このままだと買い物難民になって困る人がたくさん出るのでは?」「なんとかしなくては」。そう声を掛け合った有志たちが『団地応援隊』として、次の店舗ができるまでの3カ月間、お弁当を作って外出が難しい人に届ける活動をしました。

たてキッチンさくらの誕生まで

新しいスーパーの開店と同時に解散する予定だった団地応援隊でしたが、存続への要望が多く、また、参加したメンバーたちの思いもあり、継続的な活動を模索し始めます。準備会を発足させ、2018年1月に地域住民への説明会を開催しました。代表の水谷徳子さんは「さて、お金と場所をどうしようというところからのスタートでした」と当時を振り返ります。八王子市からの補助金と民間企業の地域活動助成金に加え地域住民からの出資金も集めました。場所を確保し、内装や看板は近隣の法政大学や拓殖大学の学生たちが手掛けてくれ、同年9月に『たてキッチンさくら』はオープンしました。

地域の人たちが笑顔でつながる場を

土、日曜、祝日を除く毎日、店頭で200パック余りの惣菜を販売し、外出が難しい人へは週3回お弁当を届けます。また、状況に応じた対応もしています。例えば利き手を骨折した人にはおにぎり弁当を、固形物が食べにくい人へはおかゆを届けるといったことも。「それは地域食堂だからできること。お互いの顔を見ているから、困っていると話してくれるし、何が必要か考えてあげられるんです」と水谷さん。地域の人たちが繋がる場として、店前の広場を利用した「たてオープンカフェ」は毎月第1、第3金曜に開放しています。

昨年には本格的な栄養分析を実施。塩分控えめでバランスもいいと専門家の太鼓判をもらうことができました。また、毎月第1月曜には『さくら保健室』と称したつながり活動を実施。住民が看護師や保健師、薬剤師といった専門家と話す機会を設けています。
水谷さんの地域のつながりを大切に思う気持ちの原点には震災の体験がありました。「同じ悩みを抱える地域には喜んでノウハウを伝えます。ワイワイと楽しくやっていますよ」と笑顔で話してくれました。


たてキッチン さくら

住み慣れた街で、笑顔で暮らしたい
八王子市館町1097
館ヶ丘団地2-5-109(館ヶ丘団地名店街内)
◇営業時間
月~金曜 正午~売り切れ次第閉店
◇定休日
土・日曜、祝日
お弁当のお届け承ります(月・水・金)
体調の悪い方や外食困難な方へのお届けになります。
申込用紙がございますので、お問い合わせください。
※館ケ丘団地内限定
☎042-673-7123
ショッパー 八王子周辺版 4月1日号掲載
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