既存の画法にとらわれず思い思いにアートを楽しむ活動が約30年前、町田市の特別支援学校関係者らによって始まりました。創作の場は広がり、5月にこれまでの作品の展示会も。相模原市在住で、活動を立ち上げた主宰者に話を聞きました。
身近な道具で感じたままに表現
さまざまな障がいを持つ人々が自由にアートを楽しむ場「フェースofワンダー」が始まったのは約30年前。主宰の金子光史さんは、町田市の特別支援学校で美術教員をしながら「卒業した生徒が絵を描く機会がない」と残念に思っていました。そこで、市内の福祉作業所のスペースを夜間に借りることに。参加者は昼間に別の作業所等で働き、夕方から集まって創作活動を続けてきました。
「画法は関係なく、感じたことを真っすぐに描くのが彼らのやり方です」と金子さん。「今日は絵筆を持ちたくない」という人がいれば、荷造り用の緩衝材で花を作ったり、スリッパの裏に絵の具を塗って紙の上でダンスをしたり。手持ちの段ボール箱、雑巾と何でも画材になります。「構図や色等、価値観が覆されるような作品が完成します。見ていると豊かな気持ちになり、自分も多くのことを学びました」。
夜の作業所で始まった活動は他の地域に広がり、現在はユニコムプラザさがみはらでも実施。場所選びとメンバー集めは参加者に任せ、家族や友人を誘い合って訪れています。「みんなで一緒に絵を描くと支援する、されるという立場も関係なくなります。共に生きて表現する仲間という感覚でやってきました」。
作品展示や参加型のアートイベントも
5月3〜5日午前11時〜午後5時、ユニコムプラザさがみはらのマルチスペースで「フェースofワンダーの世界2022アートの森のすてきな3日間・かけがえのないあなただけの線や色彩に出会おう!」を開催。今までの活動で生まれた絵画や立体作品約200点を展示し、プロの招待作家の作品も。期間中午後3時まで、同じフロアの工作室で一緒に絵を描くアートイベントを実施。参加希望者は会場スタッフに声掛けを。4日は午後1時まで。「作品を解釈したりきれいに描こうとしたりせず、感じたまま一緒に楽しみましょう」。
アートの森のすてきな3日間
かけがえのないあなただけの線や色彩に出会おう!
◇日時
2022年5月3日(火)~5日(木)11:00~17:00
◇会場
ユニコムプラザさがみはら
神奈川県相模原市南区相模大野3-3-2
ボーノ相模大野サウスモール3階
◇参加型アートイベント開催時間
5/3・5/5 11:00~15:00
5/4 11:00~13:00
◇連絡先
090-7902-1193
(フェース of ワンダー主宰・金子光史)
ショッパー 町田・相模原周辺版 4月15日号掲載