5月は東京宝塚劇場では雪組の和物の芝居とショー、舞浜では月組の特別公演のショー、日本青年館と梅田芸術劇場では特別公演の芝居が上演中です。
宝塚のお芝居やショーは劇団専属の作家がつくっています。座付き作家は、劇作家であり演出家でもあります。ですので、脚本を書き上げる役割と、生徒(出演者)への演技指導、舞台製作にあたっての総指揮を執る役割を担っています。宝塚の座付き作家はタカラジェンヌ以上の狭き門です。数年に1度しか求人がなく、演出助手として採用されたのち下積みを経て、新人公演演出⇒バウ公演演出で評価を得たのち、大劇場公演の演出で演出家デビューをします。その中で、ヒットメーカーと言われる作家は10年に1人か2人。脚本家のトップスターといえます。
先月、宝塚ファンに衝撃をもたらしたのは「ヒットメーカー上田久美子氏退団」のニュース。彼女の作品はとにかく美しいのです。美しいセリフ、舞台を縦横無尽に使った大胆な演出、「人は何のために生きるのか」という問いかけ、切ない恋…。宝塚歌劇の様式美にのせて、観客の心をぐっとつかむ作品です。私は「桜嵐記」「神々の土地」「翼ある人々」いずれも実在の人物が主人公の作品が大好きです。今年の春は、舞い散る桜の中でウエクミロスに涙しておりました。
名作 桜嵐記のポスター。ウエクミ先生の宝塚最後の作品
絵:ボン乃セリ美
宝塚ブロガーでイラスト
レーター
文:叶也 妙
八王子在住の宝塚ファン。
昨年の観劇回数は92回