自治体が収集する粗大ごみはリユース(再使用)することができるものも多く含まれていると言われています。リユースは特別な処理を加えずそのまま再使用することから、もう一度資源として利用するリサイクルに比べてより環境にやさしい取り組みです。八王子市は、地域の掲示板サイト「ジモティー」と連携し、市民からまだ使える不要品を無料で引き取り、オンラインを活用して必要とする人を探し譲渡・販売する実証実験を今月9日から開始。さらなるごみの減量化を目指します。
家具や家電などが並ぶジモティースポット八王子内
地域の中で資源を循環使えるものを次の人へ
「ジモティースポット八王子」は、市の施設あったかホール内の一角にあります。不要になったけれどまだ使える家具、家電、子供用品、レジャー・スポーツ用品の持ち込みが可能(八王子市民限定)で、希望者は事前にサイトから日時を予約し、同所に持ち込むだけ。一度にまとめて何点でも可能で、次の人が使えるものに限り無料で引き取ってくれます(リサイクル家電4品目や3辺の長さの合計が180cm以上の家具など引き取り不可なものもあり)。
持ち込まれた品物はスタッフが点検後、すぐにジモティーのサイトに出品され、希望者が購入できる仕組み。市内の不要品リユースとごみ減量が目的なので、持ち込めるのは市民のみ。購入は誰でもできますが、支払い、品物の受け取りは同所で行います。
持ち込まれたものの情報はすぐにジモティーのサイトに掲載
取材当日、持ち込みに来ていた畠山さん夫婦は「引っ越しでいらなくなった、まだ使えるのに処分するのはもったいないストーブ2台とスイレン鉢、火鉢を持参しました。すぐに引き取ってもらえてよかった」と嬉しそう。不要品の持ち込み予約は市ホームページまたは「ジモティースポット八王子」で検索を。
官民連携のリユース拠点としては3例目
官民連携のリユース拠点であるジモティースポットを共同運営する取り組みは、世田谷区、日野市に続き全国で3例目。2021年10月から取り組みを始めている世田谷区では、半年間で1万2000品をリユースし、毎月10トン以上の粗大ごみ削減に成功。八王子市では毎月数トンの粗大ごみ削減が実現できるのではと期待を寄せています。
「引っ越しや家の片付け、買い替え等でまだ使えるのにいらなくなったものをごみとして捨てるのではなく、次の人にまた使ってもらうことで地域内での資源循環やリユース活動の促進につながれば」とジモティー取締役の片山翔さん。このほか家庭で余った食品の持ち込みも受け付け、食品ロスの解決にも取り組みます。

ジモティースポット八王子
八王子市北野町596-3、北野余熱利用センターあったかホール内
営業:金~日曜の午前10時~午後4時半
※不要品の持ち込みは事前予約制。食品の持ち込みは予約不要
❖ 持ち込めるもの
- 家具
椅子、テーブル、棚、カラーボックス、収納ケース、鏡、カーペット、カーテンなど - 家電
電子レンジ、炊飯器、トースター、掃除機、アイロン、美容家電、オーディオ機器など - レジャー、スポーツ用品
キャンプ用品、ゴルフ用品、トレーニング器具、楽器など - 子供用品
ベビーカー、チャイルドシート、おもちゃ、人形など
❖ 持ち込めないもの
- リサイクル家電4品目
冷蔵庫、洗濯機、エアコン、テレビ - 自転車
- マットレス、寝具、畳
- 3辺の長さの合計が180cm以上の家具すべて
- マッサージチェアなどの管理医療機器
- ペット用品
- ひな人形セット、五月人形セット
ショッパー八王子周辺版 2022年9月30日号掲載