老朽化した北野清掃工場に替わる八王子市内の新たなごみ処理施設として、10月1日から館クリーンセンターが本格稼働しました。館清掃工場を建て替えたもので、最新の設備や高い発電能力はもちろんのこと、ごみ処理の一連の工程が見学できるスペースや、敷地内にビオトープや散策路を整備。環境学習の場として地域に開かれた施設です。
館クリーンセンター
館クリーンセンター(八王子市館町)は、地上6階建てで2階部分が見学者の出入り口になっています。4階は見学スペース、3階は環境学習等で使用できる部屋や見学者の休憩スペースを設け、赤ちゃんのおむつ替えや授乳室も完備。施設内はバリアフリーで誰でも利用できます。災害時の一時避難場所としても使われます。
安全・安定したごみ処理と資源循環システム
ごみの焼却には「流動床式ガス化燃焼炉」を使用。1日あたり160t(80t×2炉)の処理能力を備え、ごみを焼却する際に発生する熱エネルギーを廃熱ボイラで回収して蒸気を作り、この蒸気を利用して発電機を回転させて発電。作った電気(最大4440kw)は施設内で利用するほか、余剰分は売電と、市役所など市内10カ所の公共施設へ自己託送による電力の地産地消を行います。また、ごみを燃やして出る灰や排ガスは安全に処理され、灰はすべて資源として活用。排ガスはろ過式集じん器で有害物質を除去し、きれいにして大気に放出されます。
❶プラットホーム
ごみ収集車が、ごみをごみピットに投入するためのスペース。出入り口は自動開閉式扉とエアカーテンが設けられ、臭気が外部にもれるのを防いでいる。
❷ごみピット・ごみクレーン
収集してきたごみを一時的にためておくところ。25mプールとほぼ同じ大きさで、施設で処理する約7日分のごみをためられる。
❸中央制御室
各設備の運転はコンピューターで自動化されており、中央制御室ではその監視・制御を行っている。
施設見学は10月17日からスタート
見学スペースでは、ごみ収集車の仕組みや自分たちが出したごみがどのように処理されるのか、大型窓を通じて実際の設備を間近で見ることができ、最新のデジタル技術を活用した映像コンテンツによる展示は、大人も子どもも楽しみながら環境問題について学ぶことができます。「屋外広場や自然観察の森なども開放し、お子さんから大人まで集えるスペースとして地域のコミュニティーの拠点となる施設を目指しています。環境学習の場として多くの方に利用してほしいですね」と資源循環部清掃施設整備課長の堂本さん。
バーチャルプラントシアター
もぐらたたき風のごみの分別ゲーム
他にも見学スペースにはコントローラーを使って工場内に潜入するバーチャルプラントシアターやもぐらたたき風のごみの分別ゲーム等、楽しみながら学べるコンテンツがいろいろ!施設見学は今月17日から受け入れを開始。時間は午前9時〜午後4時(年末年始を除く。3月〜9月は午後5時まで)。団体利用の場合は電話予約が必要です。
八王子市館町2700
☎042-673-5632
ショッパー八王子周辺版 2022年10月7日号掲載