今秋、東放射線アイロード側に東京たま未来メッセ、西放射線ユーロード側に桑都テラス(今月26日開業)といった新施設が次々とオープンし、にぎわいを見せる八王子駅北口周辺。東西の施設と駅をつなぐ歩道に掲示されている藍色のフラッグや、保健所跡地の仮囲いに示した案内サインに気付いた人も多いはず。これは、官学連携で取り組む「そめる」プロジェクトによるもので、ウェルカムフラッグで訪れた人たちを歓迎し、楽しくまち歩きをしてもらう目的で作られました。(写真:れんが通りの歩道に設置されたフラッグ)
景観絵本の実現につながる取り組み
八王子市が行った八王子駅周辺の未来の景観を考えるワークショップ(2020年度〜2021年度に実施)で、市民、学生、専門家らが提案したイメージを可視化した景観絵本「八王子まちなか 景観みらいものがたり」が今年8月に完成。絵本に示した将来像の実現に向けた取り組みの一つが、この「そめる」プロジェクトです。八王子らしいモチーフと統一された色合いのフラッグを中心市街地に掲示することで回遊性の向上や活性化を図ります。
のれんをイメージした藍色のフラッグ
二つの意味を込めた「染める」と「初める」
プロジェクトの基になった景観絵本(左)とリーフレット
フラッグ、案内サインのデザインは東京都立大学システムデザイン学部の学生11人が担当。プロジェクトの「そめる」には、染め物の「染める」と新しくスタートする意の「初める」の2つの意味が込められているそうで、織物のまち八王子の伝統や文化を受け継ぐのれんをイメージした「藍色」と、変化を続ける八王子のまちの未来に希望をはせて末広がりや無限大を意味する「八・∞」をテーマに描かれています。
八王子駅北口インフォメーションセンターや市役所などで配布のリーフレットには、フラッグの全デザインを掲載
フラッグのデザインは全部で33種類。ねじった絹糸の束や2 匹の蚕で「8」、イチョウの葉や八王子の山々で「八」など、八王子にゆかりのあるモチーフを採用。染め物らしい「にじみ」もこまかく表現されています。「学生さんたちが八王子の歴史や文化を調べ、思い思いに感じた〝八王子〞をフラッグに表現してくれました。デザインが何を示しているのか想像しながらフラッグ巡りを楽しんでいただけたら。デザインの意図を知った上で歩いてみるのもお薦めです」と市職員。設置エリアは、西放射線ユーロード、東放射線アイロード、れんが通り、富士見通りの1 1 2 カ所。掲出期間は2023年9月までの予定。商店会のイベントのため掲出しない期間もあります。
ショッパー八王子周辺版 2022年11月11日号掲載