2023年が始まりました。今年は卯年で、飛び出す、飛躍する等の意味を持つと言われています。新しい年の干支の飾りは縁起物として、1年を通して家族を守るとも。町田市内に、干支の置き物を制作しているところがあります。
町田市美術工芸館
町田市忠生にある「町田市美術工芸館」は、知的障がい者の就労支援施設で、約50年にわたり干支の置き物を手作りしています。6年ほど前からは、干支のレリーフを制作。デザインは戌年から引き続いて町田市在住の木彫作家、前田忠一さんが手掛けました。
干支の製作
今年は、ウサギが跳ね出るようすを「コロナから飛び出る脱兎を表現しました」と前田さん。石こうの型までは前田さんが作り、型入れからは同館の通所者が作業。毎年11月くらいから翌年の干支の製作を開始。作業は約8人で行っていて、型に粘土を入れ込み、定着させ、乾燥した後窯で焼き、漆喰を塗って、板に貼り付けてレリーフが出来上がった後、各所に納品。細かな作業や力のいる作業があるので個人個人のペースや得意なことを生かしながら分業し、1日25個を作り上げるのが平均だそうです。
完成したレリーフ
完成品は、町田市で出生届を提出した新生児にお祝いで進呈。市で1年間に生まれる新生児の約2000人分に加え一般販売分があり、作業に取り掛かる11、12月は、今年と来年の2種類のレリーフを作ることも。「大変な時もあるけど、作業は楽しい」と通所者は話します。「干支の製作の作業は同館の柱ともいえるので、皆プライドを持って取り組んでくれています」と施設長の植木さん。
ウサギのミニ干支も手掛ける
ミニ干支の形を整える作業
同館では、別のグループがミニ干支づくりも。今年は、高さ10cm弱のウサギの親子の置き物です。石こうを型から抜いて、底にやすりをかける作業等を行います。心を込めて作るぬくもりあるそれぞれの干支の置き物は、受け取った人のその年の思いを刻むものとなりそうです。レリーフは2810円、ミニ干支は600円で同館他、同市大賀藕絲館やダリア園、町田ツーリストギャラリーや、まちだ名産品のお店 心和で販売。
町田市忠生3-6-22
☎042-793-2227