フリースタイルカヤックという競技を知っていますか。川の激流部にとどまりながら操艇技術や繰り出す技の難度を競うカヤックの種目で「水上のロデオ」とも呼ばれています。カヤックに魅了され、日本代表選手として活躍する八王子市在住の高久瞳さんに話を聞きました。
カヤックとの出合い〜世界大会への挑戦
2019年世界選手権大会で優勝し世界一に輝いた高久瞳さん
ワールドカップと世界選手権で獲得した銀と銅のメダル
高久さんがカヤックに出合ったのは社会人1年目の夏。「兄に誘われて参加したアウトドアサークルで初めてカヌーを体験し、その面白さにどっぷりハマりました」。すぐにフリースタイルカヤックを始め、休日は北関東や東北地方の川に出掛けて日没まで練習。練習場所を求めて日本各地の川を巡るうちに海外の川でも漕いでみたいと思うようになり、世界大会への挑戦を決意しました。
2011年度から国内大会に出場しはじめ、2012年度にはカヌーフリースタイルの日本代表選手となりワールドカップに参戦。これまで数々の大会で結果を残し、2014年のワールドカップスペイン大会では女子K-1(カヤックシングル)種目で金メダルを獲得。2019年には最高峰の世界選手権大会において念願の金メダルを獲得し、世界チャンピオンに輝きました。これは前人未踏の偉業であり、日本人選手として男女通じて初の快挙だそうです。
フリースタイルカヤックとは一体どんな競技?
フリースタイルカヤックは文字通り自由なスタイルのカヤック。川(または人工のコース)の激流部にある落差に現れるウエーブやホールと呼ばれる部分に漕ぎ入れ、そこで45秒の間にカヤックを縦横斜めに回転させたり、宙返りしたりとアクロバティックな技を何度も行い、技のポイントを総合して順位を決める競技です。白波が立つ激流の中で、流されないようにキープするのも至難の業。カヤックを扱う技術だけでなく、川の状況を瞬時に読むスキルも必要となります。
45秒間激流の中でアクロバティックな技を決めポイントを競う
「比較的歴史の浅い競技で日本ではまだマイナーなスポーツ。世界で活躍して注目されることが後進の育成にもつながると信じています。国内のフリースタイルカヤック選手は、 遠征費や世界大会への参加費用もすべて自費という厳しい面もありますが、大会で得られるものの大きさは何ものにも代えがたい価値があります。大会で成績を残すことで、この競技が一人でも多くの方の目に留まり、応援してくれる方が増えると嬉しいです」と高久さん。高久さんの動画は公認の後援サイト等で見ることができます。
ショッパー八王子周辺版 2023年1月13日号掲載