春の陽気とともに待ち遠しいのが桜の開花。花の見頃は短く、身近な桜スポットを案外知らないことも。相模原市に長年住み、市内75カ所の桜の絵を描いて本にまとめた加藤忠一さんに、印象に残っているスポットを聞きました。(写真:挿し絵を手掛けた、さがみはらさくらマップ)
桜の絵を描きながらスポット巡り
相模原市で就職したことがきっかけで、同市内に50年以上住む加藤忠一さん。絵が好きで学生時代から油絵を描いていましたが、リタイア後に各地の桜スポットを巡り、アクリル絵の具で桜の花を描き続けることをライフワークに。約10年前には、描きためた作品をまとめた「アクリル淡彩 相模原の桜巡り50景」を出版。相模原市さくらさくプロジェクト推進協議会発行の、さがみはらさくらマップの挿し絵も手掛けました。
「今後は町田市の桜も見に行きたい」と意欲を見せる加藤さん
出版した本の中では、市内の寺院や公園、水辺、街なかの桜スポットを訪れて、カワヅザクラにヤエザクラ、ヤマザクラといったさまざまな種類を周囲の風景とともに優しいタッチで描いています。中でも「一本でそびえ立つ桜の木に魅せられます」という加藤さん。同市南区の天応院にある古い桜の木や、相模女子大学のシダレザクラのたたずまいが印象に残っているとか。「自然の生命力に心打たれ、気持ちが明るくなります」と話します。花の美しさはもちろん、木の幹や枝の線に個性を感じ、夢中でスケッチしたことも。またソメイヨシノに代表される桜並木は、「とにかく華やか。近くにある建造物や他の花との競演も映えますよ」。市役所前のさくら通りを自動車で通ったり、相模線の電車の窓から相模川沿いの桜を眺めたりと、乗り物から見える瞬間も楽しいそうです。
加藤さんが昨年描いた、相模女子大学内にある〝百年桜〟
シダレザクラと共に印象に残っているそう。同大学内の見学の際は警備室に声掛けを
相模原市民桜まつりは、今年は5月に市民若葉まつりとして開催されるようですが、イベントに限らず「桜の観賞方法は人それぞれ。好きなスポットを見つけてみてください」。
相模原の桜巡り75景を完成
ギャラリーパスタイムでは、相模原市内の桜の絵画等を展示
加藤さんは昨年、25作品を新たに追加した電子書籍「淡彩スケッチ 相模原の桜巡り75景」を出版しました。以前入り切らなかった東林間周辺他の桜スポットの絵と解説が加わり、アマゾンから100円でダウンロードできます。また同市中央区星が丘にある自宅の一角を「ギャラリーパスタイム」として公開。桜をはじめ、全国の酒蔵、屋台で働く人といったテーマの作品を展示。見学希望者は、加藤さん(☎080-8903-5370)か同ギャラリーのfacebookからメールで連絡を。
ショッパー町田・相模原周辺版 2023年3月17日号掲載