目の前に広がるブドウ畑を眺めながらワインを堪能するーー。都内に居ながらもそんな贅沢な時間を過ごすことができるのが、あきる野市にあるワイナリー・ヴィンヤード多摩です。都内のワイナリーの中でも珍しい農園併設型のワイナリーで、原料となるブドウを栽培。あきる野産ブドウ100%で醸造した『東京ルージュ』を筆頭に約20種類のワインを製造しています。(写真:一面に広がるブドウ畑)
オーナーは歯科医師地域貢献と就労支援
農園の一角にあるワイナリー
JR五日市線武蔵増戸駅から10分程歩くと、ヴィンヤード多摩のブドウ畑が見えてきます。東京都内にはワイナリーがいくつかありますが、農園を併設しているワイナリーは珍しく、都内とは思えない風景が目を引きます。「この辺りの土壌は砂利を含み、水はけもよいため昔から生食用のブドウを生産している農家もあるんですよ」と、専務の中野多美子さん。現在、約7000平方㍍の農園に、ヤマソービニオン、シラー、シャルドネなど10品種以上を栽培。年間約1.5t(約1500本分)を収穫しています。
オーナーは、羽村市で歯科医院を開業する森谷尊文さん。もともとワイン好きだったこともありますが、ワイナリーを通じて、地域の活性化や障がい者就労支援などの社会貢献に寄与することを目指します。「就労支援の場として、近隣の福祉施設からブドウ栽培の作業などを手伝ってもらっています。来年は、彼らが苗を植えて育てたブドウでワインを醸造する計画。ネーミングやエチケット(ラベル)も考案してもらい、オリジナルワインが誕生する予定です」。
グラスワインも提供テラスでも楽しめる
あきる野産ブドウ100%で作られた『東京ルージュ』(750 ㎖ 4950 円、375 ㎖ 3300 円)
ワイナリーに併設している直営店では、製造しているワインを販売しています。試飲もできますが、じっくり楽しみたい人のためにグラスワインを提供(300円)。ブドウの搾りかす酵母を使用したカンパーニュ、大多摩ハムのサラミ、みつばちファームの蜂蜜がセットになった『おつまみセット』(500円)も用意しており、楽しむことができます。木材をふんだんに使った店内にはジャズが流れ心地よい空間。ブドウ畑を眺めながら風を感じるテラス席でゆっくりするのも魅力的です。
また、毎月第4日曜には、マルシェ型イベント『ヴィンヤードテラス』を開催。同社のワインだけでなく、無農薬野菜の販売やキッチンカーも出店し、多くの人でにぎわいます。このほかワイナリーツアーやワイン講座などの参加型企画も充実。援農ボランティアも都度募集しており、市外だけでなく都外からの参加者も多いそうです。「ブドウ畑は季節ごとに表情が変わりますので、ぜひ足を運んでいただければ」と中野さん。ボランティアやイベントの詳細はホームページへ。

あきる野市上ノ台55
ワイナリー併設直営店
営業:午後1時~5時(土日祝午前11時~午後5時)
※火曜定休
☎042-533-2866
オンラインショップあり」