高尾駅北口から徒歩1分のところにある高尾ビールタップルーム。八王子市下恩方町で醸造されたクラフトビールを山小屋風の落ち着いた空間で、楽しめます。注目したいのはそのコミュニティーの場としての役割。〝地域と登山客〞〝人と山〞とを結びつけるクラフトビールの力が魅力のスポットです。(写真:話を伺った栗原幸司さん。平日はブルワリーで醸造を担当)
2017年に誕生した高尾ビール
高尾ビールの定番「OH! MOUNTAIN」900 円
クラフトビールとは、小規模事業者が醸造するビールのこと。1994年に酒税法が改正され、ビールの年間最低製造数量がそれまでの2000kℓから60kℓに引き下げられたことで台頭したジャンルです。大規模製造のビールと区別するためにクラフト(手作り)ビールと呼ばれており、『地ビール』と表現されることも。原材料に地域の農産物を使うなど小規模製造ならではのオリジナル性と造り手のこだわりや丁寧な醸造が特徴です。
『高尾ビール』は、2017年に誕生。八王子市下恩方町にブルワリー(醸造所)を構え、原材料となるホップを自家栽培したり、地元のユズやパッションフルーツ、高尾山名物の『天狗焼』の切れ端を使用して醸造したり、高尾エリアならではの特色あるビールが人気です。
高尾版ブリューパブに
山小屋風のタップルーム。高尾駅舎のレトロな雰囲気もマッチ
そんな高尾ビールを気軽に楽しめるのが高尾ビールタップルームです。食べ物は提供せず、各自持ち込む〝山小屋〞スタイル(ゴミは持ち帰り)。大きな窓から臨むレトロな高尾駅北口の駅舎がより一層、山リゾートの雰囲気を高めます。「海外では、登山口にブルワリーとパブ(酒場)が一緒になった『ブリューパブ』と呼ばれる店があり、その土地のクラフトビールを飲みながら、登山客と地元の人たちが交流する文化が根付いています。高尾駅北口は、高尾山や陣馬山へのアクセスで利用する登山客も多いのですが、交流の場は意外と少ないのが課題。高尾ビールを中心に、地域と登山客、人と山をつなげる場所になれば」とスタッフの栗原幸司さんは話します。
タンクからの注ぎ口のことを〝タップ〟と呼ぶ
2019年にオープンした後、コロナ禍で休業や不定期営業を余儀なくされましたが、現在は、毎週土曜・午後2時から8時まで営業。定番や季節限定フレーバーなど5、6種類を提供しています。「味の好みや気分に合わせてお選びいただけるようラインアップをそろえています。登山やハイキングの後だけでなく、お仕事帰りや週末のリラックスタイムにもぜひ」と栗原さん。タップから注ぐビールを、その場で缶に詰めて持ち帰ることもでき、家飲み派〞にも嬉しい拠点です。
八王子市高尾町1200-1-2階 Lantern 内
営業:土曜午後2時~8時