一人ひとりが自分の音を担当し、全員が協力しあって一つの曲を演奏するハンドベル。10年前、初めてハンドベルを持った時はリズム通りに鳴らせず、音階も演奏できなかったというハンドベルグループ「ぽこあぽこハンドベルアンサンブル」が6月17日に初の単独コンサートを開きます。(写真:20代〜50代のメンバー10人が所属。後列左は所長で音楽療法士の野村諭さん)
ハンドベルを活用した音楽療法
今年活動10周年を迎える、ぽこあぽこハンドベルアンサンブル。メンバー10人は八王子市東浅川保健福祉センター内にある「レストランあさかわ」(就労継続支援B型)の通所利用者で、普段はレストランと売店のスタッフとして働いています(現在、同センターは改修工事のため休館中)。毎日、仕事が始まる1時間前に集合し、ハンドベルの練習を行っています。
指導するのは、運営を担うNPO法人あさかわの所長で音楽療法士の資格を持つ野村諭さん。音楽療法として生活に音楽を取り入れ、メンバーに時間の感覚を意識し、自分の役割を認識してもらおうと始めたのがハンドベルです。結成当初は、リズム通りに鳴らすことも音階も演奏できず、「お笑いのコントのようだ」と言われたことも。それでも野村さんは諦めずに根気よく指導し、約1年後には演奏会ができるまでに上達。それからは毎年、同センターで開催のロビーコンサートに出演し、今では大きな会場のイベントなどにも呼ばれるようになりました。演奏を聞いたお客さんからは「感動した」「元気をもらった」という声も。
「ぽこあぽこ」とはイタリア語で「少しずつ」
昨年応募した動画コンテスト・バーチャル解放区2022 では「審査員特別賞」を受賞
グループ名の「ぽこあぽこ」とはイタリア語で「少しずつ」という意味。日々少しずつ練習を積み重ね、「剣の舞」や「太陽おどり」「君の瞳に恋してる」などレパートリーは250曲ほど。今回の単独コンサートでは、日本の四季、クラシック、昭和のヒット曲を中心に披露する予定です。
「最も大切なのはどのベルを誰が担当するかを決めること。個々に持っている能力を活かし、個性を輝かせる演奏ができれば」と野村さん。メンバーたちは「難しいけど楽しい」「みんなに聞いてほしい」「落ち着いて鳴らせるように頑張りたい」と話していました。コンサートのチケットはすでに第2公演(午後の部)は完売。第1公演(午前の部)は残りわずかです。チケットは同市大横保健福祉センター内の「あさかわ売店」で販売中。なお当日券の販売はありません。
10周年記念コンサート
ぽこあぽこハンドベルアンサンブル
6月17日 八王子市クリエイトホール5階
第1公演(午前の部)11時から
第2公演(午後の部)14時から
チケット各1000 円 ※第2公演は完売
※当日券の販売はありません