生活相模原市

【取材記事】夏には黄色い花が楽しめる「ミシマサイコを知ろう」相模原柴胡の会

相模原市民の歌に「柴胡(さいこ)の原」という一節がありますが、かつて市内には、野生植物であるミシマサイコが群生していたと伝えられています。夏に花を咲かせるこの植物を、再び普及させようと活動する市民団体があります。(写真:群生すると「黄色い花火のように華やか」と相模原柴胡の会の福田さん)

庭やベランダでも栽培できる


茎に小さな黄色い花を多数付けるミシマサイコ(おととし7月頃撮影)

ミシマサイコはセリ科の一種。高さ約1㍍の植物で、茎に小さな黄色い花を付けますが、傘状に広がって咲き、群生すると見ごたえ十分。相模原市内では、相模原麻溝公園に約100株の花壇があるのをはじめ、相模原市南区下溝にある柴胡が原陸橋命名碑・松尾芭蕉句碑前の花壇、モナの丘柴胡育成園他で、毎年夏に花を観賞することができます。

かつては同市内に「柴胡が原」と呼ばれる群生地があり、根は漢方薬の原料として用いられていたというミシマサイコ。都市化による環境変化等の影響で群生地が減少し、この辺りでは絶滅危惧種となっていました。それでも1960年代に丹沢で自生しているのが発見され、譲り受けて個人で育てていた愛好者もいたとか。「家庭の庭やベランダでも育てられます」と相模原柴胡の会・事務局の福田智行さん。


会員が手入れを続ける下溝の石碑前花壇(おととし7月頃撮影)

同会は7年前に発足したボランティア団体。福田さんが「町おこしのきっかけになる名物があれば」と探していたところミシマサイコに出合い、その魅力を発信しようと決意。それまでは麻溝公園で栽培されていましたが、さらに市内で栽培場所を増やすとともに、イベント等で存在をアピール。より親しんでもらおうと、家庭栽培用に苗や種も配布してきました。同会で管理しているミシマサイコは相模原柴胡と呼んでいます。「地元の環境やそこに育つ植物を誇りに思ってもらいたい」と福田さん。いずれは「自然やきれいな川が増え、柴胡が原が復活したら」と夢を語ります。

6月17日に上鶴間公民館で無料講習

ミシマサイコの花は例年7〜8月が見頃ですが、気候により前後する場合も。複数の関連イベントも予定しています。6月17日に開催予定の福田さんによるミシマサイコ講習会では、地元との関わりや育て方について話します。入場無料で参加者には苗を進呈。同館入り口でもミシマサイコを栽培。定員30人、希望者は下記記載の上鶴間公民館まで申し込みを。

8月20日、相模原麻溝公園でサイコフェアも開催予定。詳細は相模原柴胡の会のホームページか福田さん(☎090-1426-8989)まで。

ミシマサイコという薬草を知っていますか・・相模原柴胡の会
相模原市域は明治時代以前には相模野台地と云われる広大な原野が広がり、そこにはミシマサイコ(柴胡)の群落地が所々に存在して「柴胡が原」と云われ、夏には一面に黄色いミシマサイコの花が咲き、秋には貴重な薬草(根の部分が漢方生薬・柴胡の原料)として採取されていました。

 

❖ ミシマサイコ講習会
6月17日 午前10時〜正午
★入場無料
★参加者には苗を進呈
★定員30人
参加希望者は下記までお申し込みを
上鶴間公民館(☎042-749-6611)
ショッパー町田・相模原周辺版 2023年6月9日号掲載
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