八王子市北野町の「子ども食堂カフェ北野」は、平日は毎日、朝ごはんを提供している子ども食堂。朝6時45分から8時半まで、子どもは無料で朝食〝きたのあさごはん〞をおなかいっぱい食べることができる市内でも珍しい拠点です。(写真:朝ごはんの様子)
全国に約8千カ所
ある日のきたのあさごはん
『子ども食堂』とは、無料または低額で食事や軽食を提供している場所のこと。子どもにとって身近な場所にあり、金銭的にも、精神的にも気構えることなく一人で行くことができるように運営されています。〝食堂〞という名称から、「子どもの貧困を救うために食事を提供する場」と思われがちですが、実際は、家庭、学校以外の『第三の居場所』としての機能を果たすことが重要な役割。食を通じて、地域と子どもたちが関わることで、成長を見守っています。2012年に東京・大田区で始まったとされており、現在は、日本全国で約8千カ所に普及。八王子市内では、40カ所以上で運営されています。
誰でも来れる
黄色の建物が目印
2021年4月にオープンした子ども食堂カフェ北野。市内では珍しく、朝食を平日5日間提供しているのが特徴です。「朝食を食べずに登校する子どもが多いと聞き、朝食の提供は必須だと考えました。朝なら仕事に支障なく活動できますし」と責任者の奥野玉紀さんは話します。
責任者の奥野玉紀さん
「大切なのは、困っていても、困っていなくても、どんな子でも来られる場所をつくること。子どもの困りごとはさまざまですので、いざという時に頼れるように、身近な存在でいたい」と。登校前に立ち寄ることを学校に許可してもらったり、地域学習の授業で見学に来てもらったり、『安心して利用できる場所』であることを伝えてきた結果、開設2年で利用登録者は約1500人に。年間約1万2千食を提供するほど、地域に欠かせない存在になりました。
広がる支援の輪
一方、運営を支えるのが、ボランティアと寄付の存在です。朝食の提供のため、調理ボランティアは、朝6時には準備を開始。ベーカリー&カフェ「ルパ」からパンを提供してもらったり、畑で採れた野菜を差し入れしてもらったり、本や洗剤といった物資も全国から届くなど支援の輪が広がっています。
今後の抱負について「とにかく継続すること」と話す奥野さん。「運営は決して楽ではありませんが、子どもたちの笑顔と健康のために、地域で力を合わせていきたいです」。
八王子市北野町547-12-1階
電話042-649-3389
朝ごはん(平日):午前6時45分~ 8時半(子ども無料、大人300 円)
カフェ(木曜):午前11時半~午後3時半
※土曜は頒布会やイベントを開催
※詳細は公式サイトへ
https://www.cafekitano.com/
「子ども食堂立上げ支援講座」
日時:8月26日午後2時~4時
場所:南大沢市民センター会議室1(八王子市南大沢2-27)
対象:地域の居場所の立ち上げに興味がある人(無料・事前申込制)
お問い合わせ
☎042-648-5776
(八王子市社会福祉協議会ボランティアセンター)