人生100年時代。定年後に新たな仕事を見つけたり、起業したりする人も数多くいます。9月18日の敬老の日にちなみ、セカンドキャリアに挑戦している人を紹介。相模原市内に今年オープンしたフラワーショップの店主は、経験を生かしつつ新しい職場で生き生きと輝いています。
花や植物の手入れもアドバイス
相模原市南区上鶴間にある「フルール・デ・アート」店主の川口和人さんは、華道を習っていた母親の影響で自然と花に親しむように。学生時代は大手のフラワーショップでアルバイトに励んだ後、店同士の仲介を行う会社に就職し、花業界でキャリアを積みました。花のデザインコンテストや商品開発にも携わる中で「いつか地域に根差した店を開きたい」という思いが芽生え、定年退職を機に2月、同店をオープン。
商品が映えるよう黒い壁に
前職で全国のフラワーショップを訪ね、経営者と交流を重ねた川口さん。自分が理想とする店作りを実践しています。切り花はケースに入れずに目線の高さに並べ、間近で花の姿や香りを感じ、触って選べるように。バラ300〜500円、ガーベラやカーネーション各300円と、1本から気軽に購入可。なるべくプラスチック製品を使わずにガラスの器に生け、かごや陶製、植物由来の花器を中心に扱っています。
また商品を販売して終わりではなく、自宅での手入れ方法をアドバイスする他、場合によっては元気がない植物を植木鉢ごと預かる〝植物病院〞も受け付け。根の様子をチェックし、必要に応じて植え替え、枝切りといった処置も。同店で購入した物でなくても、常連客へのサービスの一環として対応し、「植物がぐんぐん成長してうれしい」と好評だそうです。
教室や作家による作品展示会も開催
作家作品も並び、花に親しむさまざまなきっかけを提案
川口さんによるフラワーアレンジメント教室、NHKのテレビ番組「あさイチ」にグリーンスタイル講師として出演した鴨下ふみえさんのクラフトレッスン、作家による作品展示会といったイベントを開催。9月後半からは赤や黄色、オレンジ他、秋の色を取り入れた企画展を予定しています。
これまでの知識や人脈を生かした店作りの中で、花に親しむさまざまなきっかけを提案しているのは「日常で花を飾る文化を根付かせたい」という思いから。花を楽しむ人が増えることで「今までお世話になった花業界への恩返しにもなれば」と話します。

相模原市南区上鶴間6-21-14
☎042-705-2890