生活八王子市

【取材記事】令和初!東京で10軒目の蔵元誕生「東京八王子酒造」

今年6月、東京で10軒目となる日本酒の醸造所が八王子市中町に誕生しました。蔵元名は、『東京八王子酒造』。織物の街として栄えたころの面影を残す黒塀通りの一角に醸造所を構え、八王子産の酒米を使用した酒造りに着手。今月14日から、待望の一般販売を開始しました。(写真:代表取締役の西仲鎌司さん(右)と杜氏の磯崎邦宏さん)

酒米作りから開始!10年かけて復活

かつての八王子には、米作りに適した土壌と豊かな水源を活かして、20軒ほどの造り酒屋があったそう。時が流れ、ベッドタウンへと変貌する中、次々と減少していった蔵元。作り手の高齢化、後継者問題、設備の老朽化のほか〝日本酒離れ〞も相まって2012年ごろには市内での醸造が終了しました。

「八王子の酒造りを絶やしたくない」と立ち上がったのが西仲鎌司さん。老舗酒販店の創業家としての生い立ちから、地元・八王子の酒造りへの思いは強く、2014年、八王子酒造りプロジェクト「はちぷろ」を立ち上げ。『八王子のお米で、八王子の酒蔵で』という理念を掲げ、地元農家の協力のもと酒米作りからスタートしました。田植え、稲刈りなど農業体験も人気となり、プロジェクトの支援者が増加。とれた酒米を長野県諏訪市の蔵元・舞姫で醸造した『髙尾の天狗』を発売すると、生産者、消費者、地域を巻き込んだ取り組みが話題になりました。

酒米作りプロジェクトも10 年を迎えた

あれから10年。プロジェクトは定着し、『髙尾の天狗』の生産量、販売量も順調。街おこしにつながる精力的な活動が実り、新規取得は難しいとされる清酒の酒類製造免許を2022年12月に取得。多摩地域唯一の花街・八王子中町の料亭『すゞ香』の一部を醸造所に改築し開業。八王子市内での醸造が復活することになりました。

ジューシーな味わい!当面は土日限定で

八王子花街・黒塀通りの雰囲気を盛り上げる外観

今回、一般販売するのは八王子産の酒米を中心に醸造した『プロットタイプver.2』。「プロットタイプとは〝先行モデル〞という意味。始まったばかりの酒造りですので、どんどん味を追求し、変化し続けたい」との思いを込めたといいます。酒造りの責任者・杜氏の磯崎邦宏さんは「甘味と酸味のバランスがとれ、軽やかですが奥行きのある味わいに仕上がりました。ジューシーですので和食だけでなく、チーズや乳製品とも合います。例えば、アツアツのグラタンにキンキンに冷やした食中酒として楽しむのもおすすめです」。

販売は、醸造所併設のショップで(720ml・3300円)。鮮度にこだわり、注文後にその場で瓶へ充てん。環境に配慮し、将来的には持ち込み瓶へも対応する予定です。『酒粕』や静岡県産のワサビを使用した『わさび漬』のほか、icecream factory PiPi icecream(町田市)とコラボした『酒蔵ジェラート』も販売予定です(11月ごろから)。

都市型・小規模を活かし新しい可能性発信

今後について、「都市型・小規模・伝統文化を掛け合わせてSAKEの新しい可能性を広げたい」と西仲さん。「近代的な酒造りと小規模ならではの少量多品種の醸造が可能なのが東京八王子酒造の特徴。酒蔵内の温度を一定に保つことで年間生産ができますので、例えば、オリジナル日本酒をオーダーメードで作りたいというニーズにも応えることができます。八王子芸者を楽しめる料亭の一角で酒造りをすることで、外国人や観光客にも興味を持ってもらえれば」と。これからも挑戦は続きます。

東京八王子酒造|SAKEの可能性を広げる、東京八王子クラフト
東京八王子酒造|SAKEの可能性を広げる、東京八王子クラフト
❖ 東京八王子酒造
八王子市中町10-9
ショップ(土・日曜のみ)午前11 時~午後5 時
※イベント初出店(10月26日~ 31日)
京王沿線グルメフェア(京王百貨店新宿店)
ショッパー八王子周辺版 2023年10月27日号掲載
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