ごみ排出量の少なさでは例年、全国トップクラスを誇る八王子市。今秋からはペットボトルの水平リサイクルが始まりました。従来のリサイクルとはどのような違いがあるのでしょうか。(写真:セブン- イレブンのペットボトル回収機と八王子リサイクルマスコット「クルリ」)
ペットボトルをそのままペットボトルへ再生
八王子市提供
今年9月、八王子市と公募で選定されたコカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社(以下、コカ・コーラ社)は「ペットボトル水平リサイクル事業に係る協定」を締結しました。水平リサイクルとは、回収した製品を原料として、再び同じ種類の製品を製造すること。ペットボトルならばそのままペットボトルへと再生させることになり、「ボトルtoボトル」とも呼ばれます。10月以降、市内で回収されたペットボトルはコカ・コーラ社のペットボトルとして再生されるようになりました。
コカ・コーラ社作成
市ごみ減量対策課によると、昨年、市内で資源物として回収されたペットボトルは約2227t。従来のリサイクルでも、回収されたペットボトルは再度ペットボトルや繊維製品になるなどさまざまな用途に使われますが、元の品質に戻ることはありません。
通常の製造よりも二酸化炭素を約60%削減
一方、ボトルtoボトルを行うと、新規に石油由来原料を使用して製造したペットボトルと比較して、二酸化炭素排出量を1 本あたり約60% 低減。また、市民にとって分かりやすいリサイクルとなるため、リサイクル率の向上にもつながります。市ではゼロカーボンシティ宣言を行ったことで2050年までに二酸化炭素を実質ゼロにすることを目指しており、ボトルtoボトルもそのための取り組みの一つとして期待されています。
市内セブン- イレブン一部店舗には回収機も
ボトルtoボトルのリサイクルは、一昨年から市内のセブン‐イレブン一部店舗に設置されている回収機からも行われています。使用済みペットボトルを投入すると5本につき1nanacoポイントが付与されます。ペットボトルを回収に出す時は識別表示マークを確認の上、キャップとラベルを外し、中を軽くゆすいでつぶすのが基本。ただしセブン‐イレブンの回収機に入れる場合は、つぶさずにそのまま1本ずつ投入します。
令和3年度実績では、八王子市は人口50万人以上の都市として1日1人当たりのごみ排出量の少なさは全国1位、リサイクル率は2位。「ボトルtoボトル事業を通して、市民・事業者との協働により、リサイクル率についても向上を図っていければ」と資源循環部ごみ減量対策課。
ショッパー八王子周辺版 2023年11月10日号掲載