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【取材記事】見る人の想像膨らむ「一文字アート」相模原市出身の長澤翼さん

普段使用している文字を絵画のように装飾し、形の美しさやストーリー性を表現する相模原市出身のアーティストがいます。市内の公園で「一文字アート」の個展も開催。散策の合間に気軽に観賞できそうです。(写真:個展で展示予定の作品「彩」。距離感を変えて観賞すると違う印象に)

文字全体の形や細かいモチーフを楽しむ

相模原市出身の長澤翼さんは、京都藝術大学で芸術の基礎や理論を学んだ後、約10年前に文字を絵画のように装飾して描く「一文字アート」を考案。〝HITOMOJI―想い出の一文字を形に―〞というコンセプトで活動し、国内外で作品展を重ねてきました。

「同じ文字でもフォントによる性格の違いが面白い」と感じたことから描き始めた一文字アート。漢字をはじめ、平仮名、数字、アルファベットの一文字を動植物や人物、模様といったさまざまなモチーフで装飾します。例えば「彩」という作品は、左下の〝木〞の部分を実際の幹や枝のように描き、右側は文字の動きに合わせて大小の花が流れるようなイメージ。作品を近くで見ると細密画のように描き込まれていて、ストーリー性を感じさせます。漢字をよく知らない子供や海外の人も全体の形とモチーフを楽しみ、「距離を変えて見るとまた違った印象になります」と長澤さん。

現在も相模原をベースに、仕事で国内外を飛び回る長澤さん。活動初期から、誕生日や結婚、出産、起業といった人生の節目に合わせて一文字アート制作の注文を受け付け。依頼主の幸せなエピソードに触れながら描くことが「とてもうれしいですね」。これまでに小学校でのアートの授業やぬりえコンテストを実施した経験があり、今後も「作品を通じたコミュニケーションを大切にしたい」と話します。

場所を選ばずタブレットで描くという長澤さん

数字の「1」。白黒で細かく描き込まれ、想像が膨らみます

相模原公園で23日から個展を開催

相模原市南区下溝3277、県立相模原公園にあるサカタのタネグリーンハウス2階のギャラリーみどりで4月23日〜5月6日、個展「文字が語る想い出展」を開催。一文字アート作品約20点を展示します。

長澤さんが子供時代によく訪れ、父親となった現在も家族で遊びに来ているという同園内で、いつか個展を開きたいと考えていたそうです。展示作品は「彩」「縁」「繋」等、同園への思いを感じさせるものも。「アートに触れる機会が少ない方にも見てもらい、思い出の一つになったら」。入場無料。4月30日休館。作品や活動に関する詳細は長澤さんのインスタグラム等を参照。

ショッパー町田・相模原周辺版 2024年4月19日号掲載

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